【7012】川崎重N700系新幹線車両台車枠についてのIR速報

20180228 19:00、川崎重(7012)の新着情報を配信します。

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その際は、お手数ですが上記、PDFファイルをご参照頂けますよう、お願い申し上げます。

NO.2017080 2018年 2月 28日
各 位
会 社 名 川崎重工業株式会社
代表者名 取締役社長 金花 芳則
コード番号 7012 東京① 名古屋①
問合せ先 コーポレートコミュニケーション部
部長 鳥居 敬
【東京】TEL 03-3435-2130
【神戸】TEL 078-371-9531

N700系新幹線車両台車枠の件

標記について、別紙「N700系新幹線車両台車枠について」(本日付)の通り、ご報告いたします。
本件に関し、業績に与える影響については、現時点では算定できる段階にありません。なお、今後、開
示すべき事項が判明した場合は、速やかにお知らせいたします。

以 上
1

2018年 2月 28日
川崎重工業株式会社

N700系新幹線車両台車枠について

2017年 12月 11日、東海道新幹線名古屋駅構内において発生しました西日本旅客鉄道株式会社
様保有の N700系新幹線車両の重大インシデントにおいて、当社製の台車枠にき裂が発生し(以下、
「き裂発生台車枠」)、日ごろ新幹線をご利用の皆様、西日本旅客鉄道株式会社様(以下、JR西日
本様)、東海旅客鉄道株式会社様(以下、JR 東海様)をはじめご関係の方々に、多大なるご迷惑
とご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます。

き裂発生の原因につきましては、運輸安全委員会様により専門的調査が行われておりますが、
当社製の N700系新幹線車両台車枠に関しまして、これまでに判明しましたことと今後の当社の対
応等につきまして、以下の通りご報告いたします。

1. き裂発生台車枠の調査結果と製造における不備

当社の車両カンパニー兵庫工場にて 2007年 2月に製造したき裂発生台車枠のこれまでの調
査の結果、以下のことが判明しました。

(1) き裂発生台車枠では、強度部材である側バリ下面の板厚が、設計上の寸法 8mm(加工
後 7mm以上)より薄く、最も薄い箇所で 4.7mmで、この事実を受けて社内調査した結
果、台車枠部材「側バリ」と「軸バネ座」を溶接にて固定する工程において、両部材
のすき間を調整するために、平面度が出ていなかった側バリの下面を削り込んだこと
により、図面寸法より薄くしてしまいました。
(2) 公益財団法人鉄道総合技術研究所様(以下、鉄道総研様)が調査した結果、き裂の起点
部分は破面どうしの接触により表面がつぶれていましたが、内部を詳細調査したとこ
ろ、溶接施工を含めた何らかの原因により生じた割れと考えられる破面が認められま
した。
(3) また、削り込みの補正と寸法調整のため、き裂が発生した近傍の軸バネ座の全面にわ
たり肉盛溶接をした形跡が見つかりました。肉盛溶接は一般的に補修に用いられる施
工方法です。本部位は肉盛溶接後に残留応力を除去する工程を経るべきでしたが、そ
の記録がないことから、軸バネ座近傍の母材の疲労強度に影響を与えた可能性が考え
られます。

2

2. き裂発生台車枠以外の N700系台車枠の調査

JR西日本様、JR東海様のご協力の下、昨年 12月 26日より、き裂発生台車枠以外の当社製
N700系台車枠について、き裂発生部位の超音波探傷を含む調査を実施しました。
超音波探傷は、目視では確認できない内部の微細なきずの有無や大きさを確認することが
できます。

(1) 側バリ下面の板厚については、き裂発生台車枠以外にも、JR 西日本様で 100 台、JR
東海様で 46台、合計 146台で 7mm未満の箇所が見つかりました。
(2) 当社製の N700系台車枠の超音波探傷の結果、微細なきずの疑いのあるものが JR西日
本様で 22台、JR東海様で 7台、合計で 29台ありました。そのうち 10台を割断して、
詳細を調査したところ、全 10 台にきずの存在が確認されましたが、母材にまで達す
るような割れはありませんでした。確認されたきずは、すべて側バリ下面と軸バネ座
の溶接の範囲に留まっており、台車枠の強度には影響しないことを確認しました。
(3) 軸バネ座の全面肉盛溶接は、き裂発生台車枠以外では現時点では見つかっておりませ
んが、調査を継続中です。

3. き裂発生台車枠を含む台車枠製造における不備の原因と背景

側バリ下面の板厚が図面寸法通りになっておらず、そのような製品が社内検査を経て出荷
された原因と背景は以下の通りです。

(1) 作業指示では、側バリと軸バネ座のすき間を目標 0.5mm以下(許容範囲 1mm以内)に
調整してから溶接で取り付けること、調整には側バリを削ってはいけないこと、の両
方を作業指導票(図面を補完する資料で、製造時の重要事項および注意事項を作業者
に伝達する書類)にて規定していました。しかし、その規定を N700 系台車枠の製造
時に徹底できていなかったのは、次のような背景や理由があったことが判明しまし
た。
① 当社の品質管理が不十分であったため、外注品である側バリ部材(板厚 8mmの鋼
材)の曲げ加工精度にバラつきがあり、公差内であっても、結果として、軸バネ
座を取り付ける側バリの下面が平面になっていない場合があり、側バリと軸バネ
座との調整作業が必要でした。
② 作業指導票で指示されている 2つの規定を両立しなければいけせんが、班長は社
内の組立溶接作業基準(現行日本鉄道車輌工業会規格 JRIS W 0305(2011):台車
部材の仕上げ方法と同等)の溶接部位の仕上げ基準において、溶接ビード近接の
母材は 0.5mmまで削ることが許されておりますが、これを拡大解釈して当該作業
に適用しました。さらに、班長は作業者に側バリと軸バネ座のすき間をガタがな
くなるまで調整するよう指示した際、0.5mmを超えて側バリを削ってはいけない
と言及しませんでした。そのため、側バリ部材のプレス品の精度により削り込み
量が一定とならず、班長も作業後の現物の確認をしていませんでした。
3

(2)上記(1)の調査を通じて、品質管理体制に次のような問題点があったことが判りま
した。
① 生産技術部門からの文書による作業指示が粗く、作業手順の多くは職場長・班長
に任されていました。それらの粗い指示を補完するために、作業基準と作業指導
票に従い作業が行われますが、作業に対する指導や教育も職場長・班長に任され
ており、実施・確認を追跡する記録がありませんでした。
② 当該作業指導票について、指示を守らせる範囲と現場に任せる範囲の区分(権限/
責任)が明確になっておらず、作業指導票を発行した生産技術部門は作業内容の
確認をしていませんでした。

(3) き裂発生台車枠のき裂箇所の板厚確認は、品質管理部門が定める品質管理項目および
製造部門における自主検査項目のいずれにも含まれていないため、出荷までに確認し
ませんでした。社内での台車枠完成状態での検査項目は動力車用台車で延べ 248点、
付随車用台車で延べ 208 点に及びますが、側バリの板厚削り込みは元々想定してい
なかったためです。

4. き裂の推定原因

重大インシデント発生後からこれまでの調査と分析・解析を通じて、き裂発生台車枠では、
溶接施工を含めた何らかの原因により生じた割れが存在していたと考えられます。ここを
起点として、製造における不備により側バリ下面の板厚を薄くしてしまったことで、き裂
に至る進展速度が早まったものと推定されます。また、軸バネ座の全面にわたる肉盛溶接
等も影響している可能性があります。
き裂発生台車枠は運輸安全委員会様の管理の下、き裂発生の原因の特定や進展メカニズム
の詳細調査を続けており、今後も当社は全面的に協力し、真摯に取り組んで参る所存です。

5. 再発防止

これまでも品質の確保と向上のために、作業者への品質教育の強化、生産職場の監督・責
任者である職場長や班長のノウハウの書面化、側バリ用プレス品を含めた外注品の品質管
理の見直し等の改善活動に取り組んでまいりましたが、改めて、品質管理体制を再構築し、
徹底的に再発防止に努めます。最終的なき裂発生原因は特定されておりませんが、当面の
対策は次のとおりです。
(1) 車両カンパニープレジデントを筆頭とする品質管理委員会(仮称)を設立します。この
委員会では各製品の製造部門での自主点検項目、品質管理部門による検査項目の追加
等、製造、品質管理における問題や懸念を改めて調査し、是正します。外部専門機関
および当社航空宇宙部門や技術開発部門の知見を取り入れ、図面指示通りになってい
ない製品が出荷されない仕組みを確立します。

4

(2) 品質保証本部による初品製造過程におけるチェックポイントを増やし、その後の製品
のフォローアップ検査の充実を含む品質管理体制の強化に加え、製造部門である生産
本部に品質管理部門を新設し、工程内のプロセス確認、作業指導票を含めた書類監査、
作業者の教育内容を刷新します。
(3) Kawasaki Production System (安定した品質確保のために、誰が行っても同じ品質が
確保できる標準作業と、その標準作業を守る職場規律を確立することを目指す当社の
活動)の遵守を徹底し、品質確保を目的として、標準化、技能伝承・育成、職場規律
遵守、現場力向上を図ります。[実施中]

設計・品質に関わる情報の周知徹底を再度図るとともに、安全が最優先される鉄道事業者
様へ納入する鉄道車両であるという意識を再徹底し、作業に携わる全員がこれまで以上に
一つ一つの作業の意味の認識と社会的使命感をもって鉄道車両製造に取り組むよう推進し
ます。

6. 他の車両の台車枠

N700 系新幹線以外の他の国内外を含む新幹線、在来線車両の台車枠は、構造、形状、製造
方法が異なること、製造管理部門において作業指導票どおりに作業が実施されていること
を品質確認指示書(チェックリスト)により確認し、図面指示通りに作業を行っているこ
とを確認いたしました。

7. 当社の対応

(1) き裂発生台車枠と同じ仕様で当社が製造しました N700 系台車枠につきまして、全数
点検による測定で、側バリ下面の板厚が図面指示の 7mmを下回っていることが判明し
た台車枠を交換させて頂きます。なお、側バリ下面の板厚が 7mmを下回っていない場
合でも当社の製造不備に鑑み、超音波探傷により何らかのきずが存在することが疑わ
れる台車枠についても、当社の判断で交換させて頂きます。
(2) 今回判明したことを受けて、社長が全カンパニーにおいて技術要求から展開された作
業指示が確実に遵守されているか、現場のみの判断で作業指示から逸脱した製造が行
われていないかについて、緊急調査を指示し、現時点では同様の問題がないことを確
認しています。さらに二度とこのようなことが起こらないよう、全社品質管理委員会
(仮称)を立ち上げ、外部視点を取り入れるなどの継続的な調査・確認に取り組み、当
社グループを挙げて品質管理の徹底を推進して参ります。
以上
<用語の定義>
きず: 溶接部の範囲内に留まっているもの
割れ: 溶接部を越えて母材にまで入っているきず
き裂: きずや割れが疲労により進展し、大きくなったもの

N700系台車 側バリ製造説明資料
2018年2月28日
© 2016 Kawasaki Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved 2 8
N700系 側バリ製造工程(側バリとは)
 側バリは台車構成部品の一つで、1台車に2本あります
 車体を支え、走行に関わる重要部品です
鉄道用台車において、側バリとは、、、
© 2016 Kawasaki Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved 3 8
N700系 側バリ製造工程(本体)
抱合せ組立
側バリ本体完成
© 2016 Kawasaki Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved 4 8
側バリ製造工程(部品取付)
軸バネ座・フタ・補強を溶接にて取付け、完成します
軸バネ座(鍛造品)
フタ(板材)
補強(プレス板材)
© 2016 Kawasaki Heavy Industries, Ltd. All Rights Reserved 5 8
側バリ製造工程内の問題点(部品組立時の調整作業)
軸バネ座取付時に、側バリの凸部を削って(①)、軸バネ座
との隙間を0.5mm以下で管理していました(②)。
軸バネ座取付部の断面イメージ図


⇒ 結果として、側バリの板厚が薄くなりました
擦り合せ範囲
溶接ビード

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